珊瑚について

 

  珊瑚は真珠とともに世界の中でも日本が有数の供給国とされていました。そのため日本を代表する宝石のひとつでもあります。

 日本への珊瑚の伝来は仏教伝来とほぼ期を同じくし、金・銀・珊瑚などと仏教の経典にある七宝として、地中海産の珊瑚がシルクロードを経て運ばれてきました。中でも中国から日本へ運ばれてきた地中海産の珊瑚は胡渡(こわたり)珊瑚と呼ばれ珍重されました。(胡とはペルシャ地方の意) 日本で初めての採取は土佐沖にて幕末に近い文久3年(1812年)とされていますが、一時は土佐藩の御止め品として採取が禁止されていたため、本格的に採取されたのは明治以降と言われています。

 産地としては前記のとおり地中海が古くから有名ですが、現在はほとんど枯渇した状態で、日本近海および南西太平洋海域が世界の供給地となっています。
  珊瑚の加工は現在技術発展のおかげで綺麗な丸玉に仕上げることができますが、昭和初期の頃は枝珊瑚と呼んでいます珊瑚の枝を輪切りにして穴をあけ、研磨した数珠が多く作られていました。今ではお作りすることが無く、もしお持ちならば大切にお使いになっていただきたいと思います。

  数珠の御修理に珊瑚をお預かりすることがあります。永く使われていますと珊瑚の主成分が炭酸カルシウムなので玉表面の艶が無くなっていることがありますが、研磨を仕直し仕立てをすれば元のように修復も可能です。
  ご使用にあたっては使われた後は柔らかい布のようなもので軽く拭いてあげることをおすすめ致します。ただ、ネックレスの玉を数珠にしてほしいと持ち込まれる方がおられますが、玉の穴の大きさが小さすぎるため数珠に仕立てるには穴拡げを必要としますのであまり好ましくはありません。

 見た目にもやわらかなイメージを持つ珊瑚は1cm成長するのに何年、何十年もの年月を要します。自然の恵みの素材である珊瑚が人の手によって丁寧に加工され、数珠に仕立てあげております。是非大切に末永くお持ちいただければと思います。                                                                           合掌

 


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