水晶(すいしょう)について

 現在珠数の素材には様々な物が使われておりますが、中でも水晶を使った珠数は多く、玉の形や大きさの異なったものを沢山お作りしています。
  現在、皆様がお使いになられるものには本装束(ほんしょうぞく)や半装束(はんしょうぞく)念珠、女性用二輪念珠、一輪念珠等にも使われているのは知っておられると思います。

 それでは水晶についての豆知識と、真宗の水晶念珠にまつわる話をしたいと思います。
 水晶は世界各地に産しますが、水晶の主要産地はブラジルです。良質の結晶(けっしょう)はスイスやアルプス地方、マダガスカル、旧ソ連邦、アメリカに産します。そして巨大な結晶に成長することもあり、大きさの記録では長さ約六メートル、重さ約四十八トン以上もあったそうです。
  現在では時計などに用いる人工水晶もありますが、六角柱に結晶するのは天然水晶だけです。
 ご来店のお客様の中で「水晶の意味は何ですか?」と尋ねられることがよくあります。仏教での念珠の功徳(くどく)は経文(きょうもん)によって違いはありますが、珠数功徳経(じゅずくどくきょう)では「百億倍の福をもたらす」と説かれていますし、西洋的パワーストーンの意味合いとしては「潜在(せんざい)能力を高める」、「全てのものを浄化する」ことが最も多く記されています。珠数は東洋のものですが、どうもお客様は後者の方を気にしていらっしゃる方が多いようです。
 水晶は昔、梵語(ぼんご)では玻璃(はり)と言われており、また、平安・鎌倉時代では水精玉(すいしょうだま)(水晶)とも言われていました。
  真宗では水晶を用いられた珠数の歴史は古く、現在は使用されていない形の真宗念珠ではありますが、鎌倉時代の見真大師御伝授の水精霊木(すいしょうれいぼく)念珠は、大同房了仙(だいどうぼうりょうせん)に授けられた百八念珠として四十三個の水晶が使われていたと文献(ぶんけん)に残っております。

 真宗の仏式結婚の念珠交換に用いられる女性二輪念珠は、水晶や白珊瑚(しろさんご)のものが多く、女性の白無垢(しろむく)結婚衣装の意味合いに合わせ、嫁ぎ先のお色に染まる前として白無垢衣装に珠数を持ち、「これから宜しくお願い致します」と心を込めて合掌礼拝されることが受け継がれています。
  このように無色透明の水晶玉を用いた念珠、永い時間を経て結晶となり、一粒一粒丁寧に人の手によって加工されます。ぜひ大切に持っていいただきたい珠数のひとつです。                                                            合掌


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