琥珀(こはく)について

 

 今回は珠数に用いられる材質の中で、琥珀についてふれてみたいと思います。

  琥珀(アンバー)は、太古の樹木が分泌(ぶんぴつ)した樹液(じゅえき)が地中に埋もれ、化石化した樹脂(じゅし)のことを言います。
  アンバーの語源は、熱すると香りを放ち火をつけると燃える性質から、アラビア語で「香気(こうき)を放つ物質」、ドイツ語では「燃える石」と呼ばれています。
  産地としては、世界の埋蔵量(まいぞうりょう)の三分の二以上があると言われているバルト海沿岸の諸国(バルト三国といわれるエストニア・ラトビア・リトアニアをはじめロシア・ポーランド・ドイツなど)を中心とし、その他にカナダ、アメリカ、ドミニカ共和国、ミャンマー、中国そして日本の久慈(くじ)(岩手県)があります。

 琥珀の色合いには産出のされる場所によって、ライトイエロー、ダークブラウン、オレンジ、透明など様々なものがありますが、それぞれ独特の風合いを出しています。

 琥珀の珠数は見た目にも落ち着きがあり、優しく温(あたた)かみのあるのが特徴です。水晶は触れるとひやりとしますが、琥珀の感触からはぬくもりが感じられます。そのため、琥珀の珠数を持たれたときに何とも言えない感触を好まれる方も多いようです。

 また、琥珀の生成(せいせい)時は流動的樹脂なので、古生代の昆虫を生きたまま包み込んで化石化した「虫入り琥珀」という珍しい逸品(いっぴん)も存在しています。

 琥珀は大地の恵みから産出されるものですので、天然琥珀は年々少なくなる傾向にあります。今では欠片(かけら)を集め、加圧・加熱により融解(ゆうかい)され、アンブロイドという一見天然品のような圧縮琥珀や合成樹脂による模造品(もぞうひん)もありますので、購入されるときには専門知識を持ったお店でご相談されるのが良いと思います。

 このように長い時間を経て化石となり、一つひとつ丁寧に玉に削り連ねる貴重な珠数でありますから、ぜひ、大地の恵みに感謝の気持ちを持って大切にお持ちいただければ嬉しく思います。                                                    合

 


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